優子の戯論


◎ 瞑想


 お風呂に入りながら亡き母に「ありがとう」と言い続けていたら、自然に定に入った。
 どんどん深い状態へ入っていくので、肉体の感覚が薄れて溺れたらいけないと思い(実際はそんなことはあり得ないと思うが)、お風呂から上がって布団の中で瞑想を続けた。

 背中にどなたかが手を当てて下さった。
 数分後、母の気を感じた。
 掛布団をはねのけたくなるくらいの熱感が生た。
 身体が50cmくらい上昇して、母の気と融合した。
 母に「何故来たの?」と何度も聞いたが、答えはない。

 それから、父の気も感じた。
 「この世ではどこに居たい?」と問いかけてた。
 このところ、地方にある両親のお墓を私の住む近くへ移そうかと考えていたからだ。
 父は「帰って来る所はここだよ」と言ったような気がした。

 そして、眉間が痛いほど押され、光と共に粒子が流れ込んできた。
 数分間、そんな状態が続いただろうか。
 粒子はどんどんと丹田に流れ込んでいった。

 その後、頭の上半分が開いて、空と丹田が繋がったようになった。
 そして、自分が地球の少し上に浮かんで星の瞬きを見ているような感覚が起こった。
 肉体に意識を向けると、肉体はちゃんと布団にへばりついているのだが…

 中有に居るとは、こんな感じかと思ったりした。
 ここもあそこも無いのだから、空間がだぶって存在してもおかしくはない。

 すると、unconsciousnessという文字が浮かび、その後、いろいろな言語が聞こえてきた。

 そして、なんとなく満足した気持ちになって瞑想を終えた。

 瞑想を終わってもずっと、粒子が入ってきた時の丹田の感覚は残っている。

 なんだか瞑想の習慣を持つようになった20代の頃のような好奇心が甦った感じ。

 楽しいなぁ、と。
 嬉しいなぁ、と。
 あれを感じなくてはいけない、これを悟らなくてはならないではなく、何も欲しないままにふわっと何かと融合してしまうような…

 こんな解放は久しぶり。

 神からの贈り物。


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